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「よし、良くやったライム、ティオ!」

 カレルは空中からの煙攻め(当初の予定は)の任務を終えた二人を、前方から迫るロボに銃弾を撃ち込みながらねぎらった。ティオはライムが背中から降りてすぐに人間の姿に戻った。以前に聞いた話だと、『人間の姿の方が俺ってイケてね?』とか言っていた。……野郎のツンデレの上にナルシストとか救いようがないね、と切り返したら卒倒されたが、そんな変なことを言っただろうか。

 しかし、性格はアレでも戦闘力は信用できる。ティオに睨み付けられたロボが、まるでゴミクズのように吹っ飛んでいく。

 と、しばらくロボの残党を狩っていると、

 

 生産工場が突然爆ぜた。

 

 正確には地雷のように上方向に指向性を持たせた爆風だったので、守護者側には被害は出ていない。おそらく基地の中に誘い込んだ守護者を確実に殺し、外に逃げた仲間を巻き込まないための措置だろうが……。完全に裏目に出ている。

「相変わらずウェインは考える戦略に容赦がないなぁ……」

 ウェインはたぶんここまで考えていたのだろう。……だからこそタチが悪すぎる。できれば敵には回したくない奴の一人だ。

 と、さらにしばらくロボの残党を狩っていると、

 

 今度は生産工場が突然割れた。

 

 正確には生産工場ではなく、生産工場の建っていた地面が、地割れのようにバックリと割れた。今の第7支部にはこんな大規模な地割れを起こせる守護者はエルジラしかいない。少し警戒しながらロボの残党を狩りながら成り行きを見ていると。

 

 生産工場から超巨大なロボットが現れた。

 

 正確には生産工場ではなく、割れた地面から組み立て式の超巨大ロボが組み立て済みの状態で現れた、みたいな感じだろうか。10階建てのビルくらいの高さはある。全長は大体40mくらいはありそうだ。

「……いやいやいや! これはやばいよ!?」

「あ、あの…カレルさん…」

 まさかの状況に狼狽えていると、ライムがカレルの服の袖を引っ張って言った。

「たぶん、私の中身……あいつが持ってます」

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