実はキキョウは戦闘時、拳を握らない。パンチの代わりには掌底を体術に組み込んでいる。これはキキョウは医学薬学を修めた医療者であるという意識から、手を痛めて医療行為に支障を出すことがあってはならない、という意識からである。同時にキキョウは投げ技、そして寝技が得意な事から、相手をつかんで投げ技につなげる為でもある。(幻想郷での戦闘ではほぼ役に立っていないが)
また、外の世界にいたころは支給されていたゴム弾を放つ拳銃も使用していたが、近接戦闘の中に組み込むことはできておらず、それぞれ分離した戦法をとっていた。幻想郷入りしてからは木属性の魔法(特に命護剣)を習得したこと、木属性の魔力とファナの同居の副作用で器用さが落ちたことから、近接戦闘では拳銃はほとんど使われていない。
キキョウが扱える魔法(2部2話時点)は、木・陽属性のオーラ系の魔法、プロテス、エアロウェイク等の無属性物理学系魔法などがある。
戦闘でもっぱら用いられるのはご存じ命護剣。直接的な殺傷力は妖怪にしかないが、相手を気絶させて無力化できる魔法である。これに加えてプロテスで敵の攻撃を防御または妨害、エアロウェイクでの立体的な攻撃、そして陽魔法による目くらまし、そして木属性の魔力と不死の薬による圧倒的な回復力などを用いた近接戦闘が強み。
…近接戦闘「は」、そこそこ強い。
本来なら魔法は魔理沙のように遠隔火力攻撃を連想するところだが、どっこいキキョウの場合は魔力放出が体質的に不得手のため、遠くの敵に対しての攻撃手段が少ないのである。(普通の弾幕だと、敵のところに届く前に自分で引き寄せてしまい戻ってくる。通称セルフホーミング)
一応支給されていた拳銃でゴム弾に魔力を乗せる、「白無垢の翼」による推進力で一気に距離を詰める等はあるが、基本的にキキョウは遠距離戦はできない。
だが、木属性の魔法による味方の回復が戦闘での主な役割となるため、キキョウがメンバーにいるとパーティーの安定性が格段に増す。さらに木属性の魔力で自身や味方の気配を消すこともできるので、奇襲で近接戦闘に持ち込んだり、隠密行動にも適している。
主人公としては決して派手なタイプではないが、キキョウの魔法はしっかりと仲間に貢献することができる。
残念ながら、キキョウは弾幕戦の土俵ではすこぶる不利。(幕間5話参照)
まず、キキョウは魔力吸引性の体質のため、魔力の放出…特に弾幕のように遠距離まで魔法を放つことがとても苦手(敵の弾幕どころか自分の弾幕すら自分をホーミングすることも)。さらに、木を司るファナに魔力演算を手伝ってもらっている関係上、地面から離れるほど魔法を操りにくくなる。さらに、木属性の弱点として飛行魔法とすこぶる相性が悪く、エアロウェイクによる足場の作成をしなければ滞空すらできない…という、幻想郷の少女たちのサンドバックになるために生まれてきたような性能をしている。
ただ、全く打つ手がないかというとそういうわけでもなく、木の魔力で自身の気配を隠し、エアロウェイクや白無垢の翼を用いて瞬間的に距離を詰めて近接弾幕戦に持ち込む、自身が敵味方の弾幕を吸い寄せることを利用して、敵の弾幕を乱したり自身の弾幕を呼び戻して敵の背後から奇襲する。支給された銃で放つ弾に魔法を乗せて撃つ(推進力はあくまで銃によるものなのでセルフホーミングしない)など、トリッキーな戦い方が必要になるが、最低限の自衛程度はできる。
今後の課題は自身の魔力の吸引力を操れるようにすることで、これができればセルフホーミングの解除や魔力放出力の上昇、さらには敵の弾幕に干渉することもできるようになる。