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 Epilogue

 

 

支部に戻ってきたカレルを始めとする守護者たちは、一通りの手当てを受けて自由時間となった。というか、カレルくらいしか大怪我をしなかったのですぐに解散されたのもある。

そして、例によって二人は今風呂に入っていた。

「…カレルさん、よくそんな大怪我して風呂入ろうって気になりますね…。痛くないんですか?」

 カレルの隣で湯につかりながらライムは聞いた。ちなみに、彼女の肩には手のひらサイズに小型化したメルルが乗っている。

「一応傷口は氷で塞いでるから大丈夫だよ。でも、お前もこれから大変だぞ? 少なくとも脇役ではいられない。覚悟した方がいいよ」

「そう、ですね…」

「あ、ちなみに今回の任務、お前の研修卒業試験も兼ねてたから」

「え!? 結果は…?」

「当然合格。ってことで、もう俺にくっついてる必要はないってことだね」

「ひょっとして、カレルさん…。私のこと嫌いですか?」

「は!? いや、そういうわけじゃないけど…」

「じゃあ、これからもカレルさんと一緒に任務とか行ってもいいですよね?」

「…(はぁ) わかったよ。こちらこそよろしく」

「はい!」

「…」

「…」

「えい! 『魅了』(ファッシネイト)!」

「むわぁ!?」

 突然のライムの誘惑魔法に驚くカレルだが、ギュイン! という音とともに魔法は弾かれた。

「いきなり何すんだ!? いや、それより…その魔法って『月』の魔法?」

「はい。この『月』の力は精神とか直感とか占術とか…そういう力みたいです。で、今のはなんですか…?」

「俺のパッシブスキル、『干渉の拒絶』。ウェインあたりから聞いたでしょ? …あと、誘惑はこうするんだよ…?」

「えっ…?」

 いきなり正面から目を見つめられたライムは、自分の中でのカレルの存在感がみるみる膨れ上がってくるのを感じていた。

(こ、この感覚…。もしかして私、カレルさんのことが…?)

 パン!

「はっ!?」

 手をたたく音で我に返ると、目の前には楽しそうなカレルの顔。

「ふふ、トロンとしてたけど、大丈夫?」

「か、カレルさん~~~!」

 照れ隠しにお湯をバシャバシャかけてくるライムをなだめながら、カレルは不覚にも上がってしまった心拍数を抑えていた。

​~END~

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